HADABIJIN PROJECT

肌美人
開発ストーリー

女性発信の第一歩
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女子開統括リーダー

パーソナルカラーアドバイザー
金川 幸子

東海光学が誇る、
女性による、女性のための商品

数多ある東海光学の商品ラインナップのなかでも、「肌美人」、「美美ピンク」といったレンズは名前からして女心をくすぐり、見た目もひときわ鮮やかで輝きを放っている。

それらのヒット商品を生み出したのが、東海光学が誇る女性による、女性のための商品開発チーム「女子開(じょしかい)」である。2011年の発足以来、「いくつになっても美しく、心身ともに健康でありたい」と望む女性のニーズに寄り添った商品を次々と生み出してきた。

そんな「女子開」誕生の経緯、デビュー商品となったカラーコートレンズ「肌美人」の開発秘話、その後の躍進について紹介したい。

女性だけの商品開発チーム
女子開(じょしかい)の発足と始動

2011年、東海光学の会議室の一室でトーンの高い明るい声が響きわたっていた。女性社員10 名による新たな商品開発チーム「女子開(じょしかい)」が結成されたのだ。営業、開発、システム、顧客窓口、それぞれの部門から選抜されたメンバーたち。新しい “ 女性視点 ” での提案を行うために、発足初日から活発にアイデアを交わしていた。

発足当時、ビジネス界では女性をターゲットとしたヒット商品が目立ち、「女性だけのチーム」や「女性のアイデア力」がメディアで取り上げられていた。そうしたマーケットの動向を自社でも取り入れたいと手を挙げたのが、営業部で 20 年のキャリアをもつ金川幸子だ。

「技術力だけでなく、女性だけのチームで何か勝負したい」

そんな投げかけに対して、会社はふたつ返事で GO サインを出した。そして企画から、開発、販売まですべてを女性の手で担う女性だけのチームが立ち上がった。

カラーコーディネーターの先生との出会い
そして一筋の光

レンズにこだわらず、化粧品、美容器具、サプリメント…と「美と健康」をテーマにさまざまな可能性を模索していた女子開メンバーは、壮大な夢を見据えながら、まずは得意分野のレンズで成功をおさめることを目標においた。それぞれ自分たちの通常業務も務めながら、毎週ミーティングをしてアイデアを出し合い、隙をみては工場見学や展示会に出向いて市場調査を行った。

そんなときにある展示会で出会ったのが、カラーコーディネーターの八尾先生だった。「カラーの理論が、開発に活かせるんじゃないか?」女性特有の勘で、カラーの理論の講義を受けることを決め、全員がカラーコーディネーターの資格を取得した。

カラーの専門知識を身につけたメンバーたちがたどりついたのが、「パーソナルカラーの理論を使ったレンズ」。お客様の似合う色を見つけ、より魅力的に見えるカラーレンズを提案するというアイデアだ。ターゲットとしたのは、40代から50代で子育てが一段落したゆとりのある世代。アンチエイジングに興味をもち、より魅力的に見せたいと望む人々を対象とした。さらに、翌年春のカラー商材として売り出し、大きく拡販していこうという納期目標も設定された。

そしてついにコンセプトが決まった。「メイクよりも簡単に、見た目年齢を引き下げるカラーレンズ」。あとはいかに期限までに商品化するか。本当の戦いはここからだった。

100枚以上の試作の末、
形になった“肌美人”。

パーソナルカラー理論にもとづくと、暖色系の “ イエロー ”は肌を健康的に見せ、寒色系の “ ブルー ”は美しく透明感を出す効果がある。この2色を基軸としてカラー展開をすることが決まり、実際の開発がスタートした。

しかし、まず立ちはだかった壁は「ほしい色ができない!」という葛藤だった。色を作る生産部の男性担当者の視点と、妥協を許さない女子開のこだわり。喧々諤々と意見を交わしながら、納得できる色味に近づけていく。

さらに、健康面でどうしても譲れなかったのが紫外線やブルーライトのカット。その機能をつけると、せっかくのカラーレンズに補色が発生し透明感が薄れてしまう。そんな試行錯誤を 4 ヵ月ほど繰り返し、ようやく理想のレンズが完成した。

一方、「販売まですべて女性の手で 」ということにこだわっていた女子開では、販売促進の企画も並行して行っていた。『肌美人』という名称が決まった時点で、特許の申請や商標登録を行い、どのように売り出すか?というPOPやパンフレット、ポスターイメージの制作に取りかかった。なかでもこだわったのは打ち出し方。手に取るお客様に、眼鏡レンズではなく、化粧品を選ぶようにレンズを選んでもらいたい。さらに、店頭に並べる見本レンズのカラーバーにも彼女たちのこだわりを込めた。フレームを無色透明のスケルトン素材にして、カラーとフレームのトータルコーディネートができるような作りになっているのだ。ここにも、女性ならではの視点が効いた。

魅力アップ効果は脳科学でも実証され、
販売促進の追い風に

1 年のテスト販売を経て、ようやく量産化の段階にたどり着いた『肌美人』だが、その間にも新たな課題にぶつかっていた。『肌美人』は当然、東海光学のお得意様である眼鏡小売店の販売員さんの手から、お客様に紹介される。お客様にお勧めするためにはレンズの理解が必要となるが、男性の販売員さんに肌美人の良さを伝えるのが非常に難しかったのだ。とくに、女性の顔に似合う “ 色 ” を判断するという感覚的な部分は、男性にすっと受け入れてもらえない。

そこで女子開チームが取り入れたのが、脳科学のエッセンスだった。NTTデータ経営研究所との共同研究で、6色の「肌美人」をかけた人を他の人が見て、魅力的で似合うと感じる状態を脳計測した。科学的な検証にもとづいた『肌美人』の魅力アップ効果を理論的に説明することで、感覚的な部分もより説得力が増したのである。さらに、全国のお客様のもとで販売支援セミナーを行ったり、実際に実演販売会などを企画して、お客様への直接販売も積極的に行っていくことにした。

お客様のもとへ足を直接運ぶことで、メンバーたちはたしかな手応えを感じられた。展示会では 東海光学独自商品として大々的に打ち出し、美と健康をテーマにした他社にはないコンセプトと、コスメ的な販売手法の斬新さに、お客様からいい反応が得られたのだ。売れ行きも、予想通りの上り調子。お客様の喜びの表情に、開発の苦労は一気に吹き飛んだ。

肌美人の成功をステップに、
さらに続く女子開の躍進

肌美人の成功で大きな自信をつけた女子開は、その後も次々と新しいアイデアをかたちにしてきた。

たとえばカラーコーディネーターの八尾先生監修のもとで生み出された「肌美人BEAUTE(ボーテ)」。色彩学を取り入れ、美白・透明感をきわだたせるカラーバリエーションを展開している。

そのほか、ピンク色が目を惹くサングラス「美美ピンク」は医学博士監修のもと開発され、装用することで気持ちがリフレッシュされ、明るくなるという効果がある。そのユニークなピンク色と、内側から美しくなるサングラスという発想が話題を呼び、メディアなどにも取り上げられた。

さらに「女子開」のアイデアは眼鏡にとどまらず、目の温活をテーマにした「グルリア・アイマスク」や、同素材を使った血流促進ウェアなども開発してきた。

流行に敏感なアンテナと柔らかい発想力、アイデアを形にする実行力が強みの「女子開」。これからも女性の心をくすぐる革新的な商品を世に送り出していくだろう。