History

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80周年社史『日本から世界へ』

宏和の入社 次世代への継承

平成6年4月に、現社長の宏和は入社した。海外の視察研修や工場研修を終えた後営業部に配属、平成11年には取締役社長室室長に就任した。翌年、社長の武雄が60歳を目前に控えた段階で、次世代リーダー育成として、DNAの継承の場となる「古澤塾」を開始。さらに宏和を中心としたプロジェクトメンバーによる第5次中期経営計画をスタートさせた。「徹底した顧客思考のもと、新たな企業価値を創出し、世界企業となる」という指針を掲げ、「マーケットインの発想」「付加価値の向上」「スピード経営の実施」「迅速そしてより的確な対応力」といった新たな企業価値を生み出す決意を新たにした。こうして、東海光学を継承する準備は着々と進められたのである。長期ビジョンの3本の柱のひとつ「マーケットを日本だけでなく世界へと広げ、グローバルな販売展開を実施すること」。これを実践するため、海外展開にも力を入れた。薄膜事業の強化とともに、平成12年に「海外事業部」を設立した。

海外事業の門出

さて、少し歴史を遡ると、海外事業の最初の足がかりとなったのが世界初の光硬化樹脂レンズをもってして台湾マーケットへ挑んだ平成2年。台湾国内の商社や販売店との取引により、東海光学のシェアが大幅に伸びたのだ。その後もインドネシア、シンガポールといった東南アジアへ足を伸ばし、アメリカ、カナダ、西ヨーロッパへと展開することになる。

平成3年にはドイツ・ケルンで開催された「オプティカ展」、イタリア・ミラノで行われた「ミド展(MIDO)」などで欧州販路への情報収集のほか、欧州では「屈折率1.60」も好評を博す。確実に、東海光学の品質は海外市場に評価されていた。その後も商社を通じて世界的に有名な大手眼鏡店やラボとつながり、平成7年にベルギーを世界ネットワークの基点とする共同出資会社「TOKAI OPTECS N.V.」を設立する。

世界を牽引する開発力

「世界企業となる」。そのスタンスは年々研ぎ澄まされ、TOKAIブランドとして日本、ひいては世界へとその地位を築いていくことになる。海外事業部を設立した平成12年、品質管理・保証に関する国際標準規格「ISO9001」の認証を取得、さらに環境管理に関する国際標準規格「ISO14001」の認証も取得。平成16年、愛知県内のすぐれたものづくり企業が選定される「愛知ブランド企業」に認定される。組織としても一層強固な基盤が作り上げられた。

平成18年4月には、世界初・世界最高屈折率1.76を誇る単焦点プラスチックレンズ「ベルーナ ZX-AS」を発売。同年6月には世界一の薄型レンズ「ベルーナZX-MU」を発売し、国内外で注目を集める。どちらも開発は困難を極めたが、その品質の高さは東海光学の技術力の高さを知らしめるのに十分だった。また、同年9月には特注品の「S-280D」という強度数レンズを開発。「匠」レンズとしてその技術力をさらにアピールする商品となった。そして平成21年、古澤武雄は代表取締役会長、古澤宏和は代表取締役社長に就任。新たな時代へと走り始めた。

TOKAIブランドを世界へ

海外事業の拡大はスピードをもって展開した。平成14年、アメリカに商品紹介のプレゼンテーションを実施し、高品質なレンズが好評を得た。翌年、念願のアメリカ市場進出を果たす。それを契機に、世界60カ国以上での販売実績を誇ることになる。

平成22年にはTOKAI上海を設立。現地法人を設立し、ついに中国への進出を果たす。平成24年にはSIOF(上海国際眼鏡展示会)に初出展。その後も出展を続け、平成31年2月に開催されたSIOFでは「1.76商品」「ルティーナ」「肌美人」など、東海光学の独自性ある商品を展示し、大きな反響を得た。

アジア市場では特に、メイドインジャパンの高品質なレンズは信頼度が大変高い。欧州では平成26年にTOKAI ITALIAを設立。平成28年にはTOKAI UKを設立し、EU圏での販売実績を拡大している。東海光学の独自性ある技術が、確実に未来を切り拓く原動力となり、時代を動かしている。